人文蝉

  大人のためのアニメ・人文学サークル (社会人・院生からのオトナ部活)

第11回報告

f:id:jnbnsemi:20170331020609j:plain

開催日時:3月25日(土)11時半-14時頃

場所:天使の別荘 カフェVillAnge (開館11:00)

 今回も7名の参加があり盛況でした。また15分トークではアマチュア無線について訊くことができ、とくに20代の参加者は興味津々でした。ロマンのある趣味だと思います。「電離層反射」「流星散乱通信」など中二要素全開で強そうな語感も最高でした。また普段、土日は忙しくて参加できないお坊さんも来てくださり、大変よい時間を過ごせました。当日レジュメは文末です。

 次回4月の人文蝉の日程は未だ決めておりませんが、決まり次第告知したいと思います。皆様のご参加をお待ちしております。そして5月13日には一周年記念イベントも開催予定です。イベントHPはこちらですので、申込お待ちしております。

5/13(土) 現場の人が語る アニメが面白くなるココだけの話!@カフェVillAnge

 

15分トークアマチュア無線

「アマチュア業務」

○金銭上の利益のためでなく、もっぱら個人的な無線技術の興味によつて行う自己訓練、通信及び技術的研究の業務(電波法施行規則 第3条第1項第15号)
○1915年(大正4年)に国の許可により開設可能となる。
○「King of Hobby(趣味の王様)」と言われた。
○2015年現在で、日本国内に約43万局(最盛期には約135万局)
○アマチュア業務を行う無線従事者は特に「ham ハム」と呼ばれることがある。

(由来は諸説あり)

(大根役者のことをhamと言うことから(大根役者≒アマチュア≒ham)

 免許制度(無線従事者免許 無線局免許)

○無線従事者免許

・無線機を扱うために必要な免許。(車に例えると「運転免許証」)

・国家資格(試験:無線工学と法規)。取得年齢の制限なし。有効期限なし(終身)

・「1級」~「4級」の4段階。 主な違いは出せる「出力」と「周波数」の違い。4級はモールス通信ができない。

・難易度としては、「4級」「3級」で中学卒業程度、「2級」で高校卒業程度、「1級」で大学1年から短期大学卒業程度。

・「プロの免許」(総合無線通信士等)の一部では、アマチュア無線技士に相当する操作を行うことができる

 

○無線局免許
・必要な技術基準を満たしている「無線設備」に与えられる免許。(車に例えるなら「ナンバープレート」or「車検証」)

・あらゆる無線局は原則免許を受けなくてはならない。総務省管轄(TV局、ラジオ局も)

アマチュア局の有効期間は5年。更新可能。

・記載内容
 免許の番号、免許の年月日、免許の有効期間、識別信号(コールサイン)、免許人の名称及び住所、無線局の種別、目的、通信の相手方および通信事項、設置場所及び指定事項(電波の型式、周波数、空中線電力)

 

「アマチュア」なのに・・・

○「アマチュア」なのに、国家資格。
・一番下の「第四級」でも「国家資格」。

○「アマチュア」なのに、免許とったらすぐ世界デビュー。

・基本的に全世界のアマチュア局との通信が認められている。
・国交のない国でも、相手国が「アマチュア無線」を許可していれば交信可能。
総務省から「他国との交信が禁止されている国」のお知らせはある。)
○「アマチュア」なのに、使用できる周波数帯が多い。
トータルすると「携帯電話会社の4~5社分」の周波数帯域割り当てがある。

 

必要な設備

○無線機

・形態、周波数、出力により
3万円くらいから100万を超えるものまで。
・ハンディ機
・固定機
○アンテナ

 

アマチュア無線の楽しみ方
○「交信」をする
(基本的な交信スタイル)
 A局:「誰か交信しませんか?」(CQを出す)
 B局:A局の呼びかけに答える
互いに所在地、名前、受信状態等の交換

 

(ラグチュー)
・「知り合いとの雑談」。無線上で知り合い同士、他愛もない話をする。
・1対1の場合もあるが、複数人で行うこともあり。その場合はしゃべる順番を回す形になる。

 

(遠距離通信 (DX))※「DX」とは、英語の"Distance"を略したもの
・短波帯周波数帯では外国との、それ以上の周波数帯では見通し距離以上の通信を目指す。
無人島や定住アマチュア無線家のいない地域から電波を発射して
 全世界からの交信リクエストに応える「DXペディション」というものもある。

 

(コンテスト)
・決まった時間内にどれだけ多くの無線局と交信できるかを競う大会。
・小さな規模(府内レベル)から大きな規模(国内全域や全世界レベル)まで多種多様。

 

(アワード)
・交信の積み重ねにより、様々な条件をクリアすると賞が与えられる。(要申請)
・例としては、
 国内のいくつの「市」と交信したか。(100、200・・全て) 国内のいくつの「郡」と交信したか。
 世界のいくつの「国」と交信したか。等

 

(モービル(移動)運用)
・車やオートバイに無線機を取り付け、移動しながら交信を行う。
・山の頂上等、電波のよく届くところで交信を行うことで、より遠くの相手との交信を狙う。

 

(フォックスハンティング)
・公園、山中などを会場とし、複数隠された発信機を探す競技。

 

(多くの通信手段)
・「電話」=音声通信 ・「電信(CW)」=モールス通信 欧文、和文がある
・「パケット通信」=パソコン同士で交信
・「アマチュアテレビ」=音声と画像を無線でやり取り。
・「電離層反射通信」=高度約60kmから500kmの間にある電波を反射する「電離層」を使った通信(和歌山と交信できないが、ハワイと交信できる。といった感じ)

・「アマチュア衛星通信」=アマチュア無線のための衛星が上がっており、それに中継させ交信。
・「月面反射通信」=別名EME(Earth-Moon-Earth)と呼ばれ、文字通り地球からの電波を「月面」で反射させて交信する。
・「流星散乱通信」=流星群発生時に電波の反射が起こることがある。それを狙った通信。